※ 山形の旅 ※ 2007年6月
山形の旅
母からJAL株主優待券を貰ったので、有効利用のために東北旅行を企画した。
候補地は秋田か山形か宮城である。
4月30日にOSで映画を観て、帰途JALセンターで6月3日、
6日の山形への往復航空券を購入した。¥58、600である。
3日
伊丹から山形への第一便は7時20分である。如何にも早い。
余裕ある旅を目指して10時40分発の便にした。
最近事故の多いロンヴァルディア社の飛行機である。
50人乗り。客は15人くらい。好天で視界はすこぶる宜しい。
航路は名古屋から新潟上空経由であり、眼下に北アルプスの山々が見える。
左に佐渡と眼下に冠雪した朝日岳が見える。
空港で4月に同時に予約したトヨタレンタリースのカローラを借りた。
4日間で¥26,000である。まだ走行距離が5,000km、新車に近い。
北に冠雪した巨大な月山が見えて期待が膨らむ。
車は滑るように東北中央自動車路の東根ICに入る、左手に蔵王連峰が見える。
もちろん車は空いていて夢のような気分である。
山形ジャンクションでカーナビは直進の指示であるが、
私は当初の計画通り蔵王IC方面に曲がった。
一般道に降りてからカーナビの指示がおかしく、初めてのカーナビに不信を持った。
昼食を摂る都合もあり、とある食堂に駐車した。
そこは和食の店で私は寿司、美津子は海鮮丼を注文。物価は安い印象である。
今日の宿「オークヒルホテル」に携帯で電話した。
私のイメージとは異なり、上山市からの道路を教えて貰う。
カーナビにも慣れて来て、蔵王への道を進む。窓からの風が心地良い。新緑も美しい。
目印のガソリンスタンドの前で迷ったが2時にホテルに到着した。
蔵王は部屋から見られないが、角の大きい部屋である。
リフトの割引券を貰い「蔵王ロープウエー」で1名¥2,000の券を購入した。
最初は所要時間7分で中間の「樹氷高原駅」、乗り継ぎして地蔵山頂上に到着した。
時は3時半で視界は良い。「幸せの鐘」を鳴らし、赤い布を纏っている地蔵に礼拝、散策する。
標高は1、716m、眼下に霧が流れている。雄大である。
伊丹から僅か4時間半でこんなところに来られるとはという感慨。
樹氷高原駅からはリフトで往復する。最終便は5時というので暇は無い。
冬はゲレンデになる辺りを散策。最終の便で下山した。
帰途に最近(5月19日)日経新聞に出ていた「大露天風呂」を下見した。
日曜で車は一杯。ここでも標高900mである。ホテルの温泉は「酸性」である。
6時半に1階の食堂で夕食、米沢牛のステーキを食した。
明日の露天風呂の割引券を¥250で購入した。外は満月である。
地蔵と私
三宝荒神岳山頂
4日
5時40分に起きて車で昨日下見した道を大露天風呂に向かう。
営業開始の6時に一番乗りで入浴開始、
周囲の新緑を満喫して川原にしつらえた巨大な風呂で心身を癒した。
1分に800Lの湯が湧出するという。凄く硫黄臭がする。
昨日のロープウエー以降病的にフラフラするので足元に注意した。
美津子も30分で上がって来たのでポカリスエットを飲んだ。
温泉入浴のあとは水分が必要である。ホテルの裏の本格的な野草園を散策する。
聳える山、大自然に包まれた雰囲気は形容し難い「非日常性」を痛感する。朝食もおいしい。
9時のチェックアウト時にフロントで野草のブーケを無料で呉れた。
美津子はそれを大切に自宅へ持ち帰る。
皇太子も来られた写真があり、従業員は洗練されている。
ホテルの近所で名物「いが餅」(稲花餅)を求めた。
15ケで¥600、但し消費期限は今日限りである。試食すると美味である。
車で45分かかり、「お釜」に到着。今日のハイライトである。
五色沼の表現とおり季節や天気で色が変化する。今日はエメラルドグリーンである。
美津子は写真のために展望台から歩いて降りてゆく。
私はフラフラ感が依然するので引き返した。展望台には団体客が間断なく到来する。
レストランで牛乳を買う。新鮮でおいしい。
遠苅田(とおかんだ)温泉方面に滝の名所があるのでドライブしだしたが、濃い霧である。
これでは滝も見えないだろう。やはり視界が良くなければ、危険なだけである。
引き返して上山方面を目指した。途中でソバの幟があり、道路をそれて入った。
「手打ち蕎麦」の店である。経営者が相撲フアンで写真やサインがある。
岩風呂もあるらしい。¥700の皿蕎麦を注文した。
山菜とともに供された蕎麦は意外と硬い蕎麦である。
国道13号線を「フラワーセンター花夢花夢」に向かう。
持参した「東北」の95年版ガイドブックにも記載あるので、
続いて経営していることを信用した次第である。
サルビア、しゃくなげ、ルピナスなど花畑があるが何しろ直射日光で暑い。
観覧車に乗り、しばしの涼風を味わった。
宿に向かう途中、地元の物産館に立ち寄り当地のサクランボを買う。
陳列してある「いが餅」の消費期限を確かめると矢張り4日とある。
製造元の良心に感心した。今日の宿は「橋本屋」である。老舗らしい。
ここは上山(カミノヤマと発音)温泉から離れた葉山地区の旅館である。
「旅籠の心」が売り物だけに従業員のサービス精神は旺盛である。
温泉は蔵王と違う「アルカリ泉」である。さらっとしている。
女性の客は15種類ほどの中から好みの浴衣を選択できる。
食前に葉山地区を下駄で散歩した。「古窯」という大きな旅館もある。
廃業したホテルもある。得体の知れぬ洋館があったが仲居さんに質問しても要領を得なかった。
頭に包帯をした男が電話している姿を見た。
我々の寝室は4階であるが、食事は2階の個室である。牛肉はしゃぶしゃぶと牛刺しである。
シェフの名前入りのメニューも用意されていて部屋の仲居さんが
丁寧なサービスをして呉れるが、正直辟易するくらいである。
翌日の「仙台屋」旅館に比べて我々はサービスのあり方について考えさせられた。
旅館から遠望する蔵王は確かに高い。
お釜にて
フラワーセンター花夢花夢にて
浴衣の美津子
5日
トヨタレンタカーが呉れた地図の高速道路の疑問があり、仙台屋に電話した。
やはり月山~湯殿山はまだ完成してないことが分かった。
朝食の湯豆腐の汁は貝のだしも利用した凝ったスープである。
ご馳走続きで胃がもたないのが悔しい。朝のコーヒーは無料サービスである。
3人の従業員に見送られて9時前に出発。
ジャンクションから北に向かうと10分ほどして前方に冠雪の山が見えた。
2日ぶりの感動である。
「寒河江(さがえ)」のSAで休憩、私のフラフラ感は本当に逆戻りである。
月山までの高速は空いている。月山湖で終点のICを出てまず弓張平公園に下見に行く。
駐車場も広い。仙台屋で乳飲み子を抱いた若いおかみさんに道路の状況などを聞いた。
再び下の112号線に出て、湯殿山の有料道路に入った。出羽三山とは羽黒、湯殿、月山を言う。
湯殿神社の大きな鳥居がある。駐車場からピストン運転でバスが出ている。
往復は¥300.終点から歩道を歩いて数分、神聖な場所に至る。
靴はもちろん靴下も脱ぎ、神主のお祓いを受ける。¥500で「お守り」と「ヒト型」を呉れる。
ヒト型を全身アチコチに当てて祈る。そして流れている水に流すのである。
美津子はその上に蝋燭、線香、榊のセットを買った。
出口に湧き出てる「足湯」があり、美津子と並んで浸かった。
出てからも30分くらい心地よい感触が残る。キット身体に良いに違いない。
美津子とだだちゃ豆味アイスクリームをシエアーした。
車は朝日村に向かう。途中「大日坊」に寄る。ここは弘法大師の開基とされており、湯殿山が昔、
女人禁制であったので女人のために参詣の道を大師が用意された由。春日の局も参詣したらしい。
「朝日村博物館」は数館あり、我々は初め「創造館」に入った。森敦の「月山」などの由来を勉強。
天狗のコレクションも見た。「アマゾン館」は95年のガイドブックと違っていて平凡、
梵字川の渓谷に架かる吊り橋が圧巻だった。この辺りはワインの産地でもあるらしい。
帰途広大な弓張平公園を散策、ここからは朝日岳の雪渓が見える。
最後に旅館より北の「県の自然博物館」に行く。ここは無料で月山の火山の歴史など展示している。
見るからに山男風の係員に恥を忍び、「見えている山のどちらが月山か」聞いた。
驚いたことに右が「姥ガ岳」、左は「湯殿山」という。歩くとミズバショウが群生している。
雪解けの水の急流がある。ここは観光の穴場であった。
仙台屋の個室はインターネットで予約した洋風の「ぶな」の部屋である。
1泊は¥15,800.部屋からは月山と姥ケ岳が見える。
旅館の側にある五色沼の周囲を巡り15分の案内なので下駄履きで歩き出したが、
まことに歩きにくく旅館の足袋で歩いたが15分経過しても4分の一も進まないので引き返した。
夕食は山菜オンパレードであった。しかも米沢牛の石焼が供された。
岩魚の天麩羅も美味。ここの若いおかみさんは楚楚として本当に娘さんのように見える。
湯殿山鳥居
月山連峰
6日
天気予報は午後から雨なので早い7時半に朝食を希望した。
朝食の山菜の炊き込みご飯はおこげがあり、美味である。これは残すのが惜しかった。
コーヒーのサービスがあり、土産を買い、主人のお母さんらしい
年配のおかみと従業員の見送りを受けてスタート。
月山に名残を告げるために数回展望台で停車した。
山寺に10時に到着、無人の駐車場で¥400に車のナンバーを書いて小屋に投入する。
通称「山寺」は芭蕉の「閑けさや巌にしみいる蝉のこえ」の句で有名である。
約900の階段を登る。静寂や自然の中の堂宇は素晴らしい。
途中「せみ塚」がある。芭蕉の時には歩くのが困難であったと推察される。
芭蕉は「奥の細道」で「佳景寂寞」と表現している。円仁の開山である。
しばしの涼風も心地よい。昨日に続いて参詣である。まことに神仏が頼りの世の中である。
白いしゃがの花、紫のクレマチスが印象に残った。
11時、駐車場に戻ったところで瞬間雨らしきものが降ったので
「何たる幸運」と思ったが、まだ天気は持続した。1km離れたところに芭蕉記念館がある。
展示物は少ないがこれは芭蕉の真筆が少ないのであろう。
映写室で米倉斉加年扮する芭蕉の映画「奥の細道」を見る。
蝉の句も推敲の上に完成したことが分かる。
「五月雨を集めてはやし最上川」などは最上川が古典で「急流」となっているので
拘束された作品で、「速しは虚構に過ぎぬ」という。茶室で立礼の抹茶を頂いた。
峻険な山肌にへばりつくように山寺堂塔が散在する。
花活けにはあやめなど5種類の花がある。
隣接の「後藤美術館」は泰西名画の展示で、ミレーやコローの画もあるが
「一旦展示室を出られた方の再入場は出来ません」とある掲示を見て何だか寒々とした。
対岸の山寺を望める休憩室にはお茶もない。
ついで天童温泉に行くこととなり、「いちらく」という旅館にカーナビをセットした。
到着して美津子が尋ねると湯だけの客は2時半までという。
代わりに近所の公共湯「ふれあい温泉」を教えてくれた。
これがハプニングで1名わずか¥100である。備えの石鹸もない。
雷鳴がひびく。時間は4時前、オルゴール館に行くことにした。
ついに雨が降り出し、ひどい雨脚となった。我々は4時からの解説に参加した。
オルゴールは1880年~1920年が最も盛んだったこと、
蓄音機が出現して衰えたことが理解された。その推移をジオラマで紹介している。
山寺
芭蕉記念館から山寺を望む
4時50分に館を出て、ガソリンスタンドを探しながら空港に向かった。
地図の不備で空港を大きく一周して近いスタンドで証明書を書いてもらった。
約¥4、000であった。空港レストランで蕎麦を食べた。今日初めてのビールが飲めた。
6時40分のJAL最終便は満員である。
松本から晴れた中部国際空港、四日市、奈良の上空を経て伊丹に8時5分ランディングした。
(完)
2007年6月3日~6日 山形の旅